女性の月サイクルの基本【月経と月経異常】

月経がどういうものか、また、月経の正常範囲と異常な範囲についてを説明します。
参考:病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科
月経周期と女性ホルモン
月経とは、約1ヶ月の間隔で起こり、数日で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血のことです。
月経が開始した日を1日目として、次の月経開始前日までを月経周期といい、月経周期は28〜30日が最も多いです。
周期の前半の約14日が卵胞期、その次に排卵があり、排卵後の約14日間が黄体期といいます。
卵胞期
月経開始から排卵までの、卵子が放出される前の期間。
卵巣では卵胞が成熟していく時期で、エストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌する。
エストロゲンの作用により、子宮内膜が増殖・肥厚する。
低温期。
排卵期
卵子が放出される期間。
脳下垂体から卵胞への指令(LHサージ)により、成熟した卵胞から排卵が起こる。
通常16~32時間。この時期、体温は陥落する。
黄体期
排卵から次の月経開始までの、卵子が放出された後の期間。
排卵した卵胞は黄体となり、主としてプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌する。
プロゲステロンは、卵子が着床しやすいように子宮内膜をふかふかの状態にする。
高温期。

月経異常
月経の正常範囲と、異常範囲を示します。
月経開始に伴う分類
- 正常範囲 10〜14歳で初経が発来
- 早発月経 10歳未満
- 遅発月経 15歳以上で
閉止に伴う分類
- 正常範囲 43〜54歳で閉経
- 早発閉経 43歳未満
- 遅発閉経 55歳以降
量の分類
- 正常範囲 20〜140ml
- 過多月経 出血量が異常に多い(140ml以上)
- 過少月経 出血量が異常に少ない(20ml以下)
※ 昼間に夜用のナプキンを使用、睡眠中一晩で夜用でまかなえない、などが過多月経の目安。
持続期間の分類
- 正常範囲 出血日数が3〜7日
- 過短月経 2日以内
- 過長月経 8日以上
周期の分類
- 正常範囲 25〜38日で発来
- 頻発月経 24日以内で発来
- 希発月経 39日〜3ヶ月未満で発来
- 無月経 月経がない状態