ものごとへの2つの視点【陰陽】

陰陽とは古代中国の哲学理論
「陰陽」とは、対立する概念で事象を分類して、その相互作用や変化を考える、東洋医学の基礎をなす哲学理論です。
「陰」と「陽」はどちらが良い・悪い、というものではありません。
一つの物事を理解するための二つの視点です。
以下の例を見ていただくとイメージがしやすいと思います。
自然界の陰陽
陽 | 上 | 外 | 速 | 軽 | 熱 | 明 | 動 | 太陽 | 天 |
陰 | 下 | 内 | 遅 | 重 | 寒 | 暗 | 静 | 月 | 地 |
上、外、より活動的なもの、発散されているもの、が「陽」。
下、内、より静かなもの、内側へ力が向いているもの、が「陰」です。
陰陽の関係性
陰陽は互いに対立した性質を持ちます。
また、陰陽はそれぞれがさらに陰陽に分けられ、
互いに相手を育てる関係や依存する関係にもあり、
役割の交代を繰り返しながら、
極限や一定の条件のもとでは反対のものに入れ替わります。
人体の陰陽
人体の陰陽は、以下のように見ることができます。
陽 | 上半身 | 手足 | 体表 | 背中 | 燃焼 | 活動 | 興奮 |
陰 | 下半身 | 体幹 | 体内 | 腹側 | 滋養 | 睡眠 | 鎮静 |
動的な方が「陽」静的な方が「陰」です。
例えば「睡眠」を「陰陽」の視点で見てみると
自然界が日中(陽)から夜(陰)になると、人体でも交感神経系(陽)が鎮まり副交感神経系(陰)にスイッチングされ、眠気(陰)がやってきます。
夜(陰)に安眠(陰)したいならば、「陽」の性質の事物は避けて「陰」の性質の事物を心がけるのが良いということになります。
「陽」の性質の事物、とは、熱いお風呂、明るい照明、活発な運動、刺激的な飲食、興奮するようなエンタメなどです。
「陰」は、ぬるめのお風呂、間接照明・ふとんに入った後の暗い部屋、静かな環境、おだやかに過ごす時間、リラックスできる音楽や目に光の刺激が少ない読書など、ということになります。