鍼は鍼でも刺さない鍼【鍉鍼 ていしん】

鍼といえば、先が尖りちくっと刺さる鍼を想像されると思います。
鍼はそのような鍼の他に刺さない鍼もあります。
「鍉鍼」と書いて「ていしん」と読みます。
古代中国から伝わる鍼の種類は皮膚を切る鍼・刺入する鍼・刺入しない鍼と大きく3種類にわけられ、鍉鍼は刺入しない鍼に分類されています。
鍉鍼はどういうもの?

向かって左が細く右のほうが太くなっていて、使用する場所によって使い分けます。
先が細い方は尖っていず丸くなっていて、あたりが柔らかくなっています。
顔や頭など細かい場所に使う場合には細い方の鍉鍼の先が細い方を、背中やお尻や太ももなどの大きな筋肉がある場所では太い鍉鍼の先が丸い方を使用したりします。
写真のものの材質はチタンです。
チタンは皮脂や化粧品などによる色の変化がないうえに硬くて扱いやすいという利点があります。
他に、金銀銅などで作られた鍉鍼があり、それぞれに特徴があります。
刺さない鍼・鍉鍼の使い道
軽い刺激を与えるときに
小児はツボがまだできていないと考えられており、そのツボができる通り道の経絡を鍉鍼により軽く刺激を与えます。
また、体力が減退しているお年寄りには軽い刺激が適しているため、鍉鍼を使用します。
皮膚表面の症状があるときに
アトピー性皮膚炎や、顔の表情のこわばりなど、表面に症状があるときに使用します。
筋肉のコリに
頭部のコリ、眼の筋肉のコリ、首肩や腰のコリに使用します。