食べたことがない「薬膳きゅうり汁」を妄想して作ってみた。

本来であれば浅草の長國寺で開催される「いきいきあじさい祭り」に行くはずでした。
いきいきあじさい祭り − 長國寺 http://otorisama.jp/ikiiki-ajisai/
このお祭りの催し物の、「ほうろく灸祈祷会」に参加して「薬膳きゅうり汁」をいただきに行こうと思っていたのです。
ほうろく灸も薬膳きゅうり汁もいままで未体験で、どんな感じか楽しみにしていたのですが、このご時世、やはりと言うべきか中止になってしまいました。
そこで、このサイトではおなじみのヨガのおっちゃん先生と、妄想いきいきほうろく祭りを勝手に開催しました。
当日のプログラムは、ほうろく灸をやる、薬膳きゅうり汁を作って食べてみる、です。
薬膳きゅうり汁を作ってみた
まず、いままで見たことも聞いたことも食べたこともない、薬膳きゅうり汁を作ってみます。
長國寺のサイトには以下のような記述が。
夏バテ予防に、美味しい「薬膳きゅうり汁」
<暑気あたりを封じる>と言い伝わるキュウリの吸い物。特注栽培した薬膳キュウリを、昆布と椎茸だけの精進だしで炊きました。しょうがを効かせた薄葛仕立ての暖かい汁で、暑い時期にいただくとより薬効がきくといわれます。
美味しい薬膳で、本格的な夏が来る前に体調リセット。
いきいきあじさい祭り
「キュウリの吸い物」、吸い物なだけに「温かい汁」なわけです。
中華料理できゅうりが炒め物に入っているのを食べたことがあったな、とか、思い出しつつ上記の情報から作ってみることにしました。
材料(お椀4杯分くらい)
- 昆布 6~7cm
- 干し椎茸 2枚
- きゅうり 1本
- 生姜すりおろし スプーン1杯程度
- とろみ用の片栗粉 少々

「精進だし」というのは、動物性の素材を使わない出汁のことです。
昆布と椎茸の組み合わせがいかにもおいしそう。
作り方・こんな感じで作りましたよ
- 半日くらい昆布と椎茸は水につけておきます。
- 椎茸の水を絞って、細切りに。
- 2の椎茸と、昆布と椎茸をつけておいた汁(昆布は取り除く)を、鍋に投入して火にかけます。
- きゅうりを短冊切りにして、きゅうりも投入。
- 鍋にアクが出てきたら、アクをとります。
- 生姜すりおろし汁を投入。
- アクがとれたら、片栗粉でとろみをつけて完成。
「特注栽培した薬膳キュウリ」というのが結構太いきゅうりのようだという情報を以前どこかで見たような気がしたので、普通サイズのきゅうりの輪切りでは物足りないように思い、短冊切りにしました。

生姜汁を投入後味見をしてみると、調味料を何も入れていないのに、味付け必要ないくらい素材のおいしさがしっかりあり。
椎茸の匂い→生姜の辛み→きゅうり、の順番に鼻に匂いが通っていきます。
想像していたより、違和感なし、です。
葛が最寄りのスーパーで手に入らず、片栗粉で代用です。

妄想・薬膳きゅうり汁を実食
お椀に盛り付けて、実食です。

昆布と椎茸のお出汁がとてもおいしく、干し椎茸が噛み応えあり思いの外お腹にたまります。
温かいきゅうりは、いつものサクサクした歯ざわりではない新しい一面を見せてくれました。
そして、生姜の汁がきいているせいか、お腹から温かくなります。
何より新しい発見は、しっかりだしの出る食材や生姜の辛みで、調味料を一切使っていないのに充分美味しいということです。
だしが出る食材を使ったときは、調味料を入れる前に味見をして本当に調味料が必要か、いつも当たり前に入れている量が適正なのか、振り返ってみるのもいいな、と思いました。
食物効能表を見てみると、昆布、椎茸、生姜、きゅうり、全て消化関係の経絡に入る食物でした。
蒸し暑い夏に弱りやすい消化系をサポートする食材たちで作るきゅうり汁は、夏バテ対策によいのでしょう。
ずっしり重い食事をした翌日など、こういう汁、いいですよ、オススメです。
ほうろく灸については、以下のページをご覧ください。