カフェインとコーヒーの話

ホッと一息するときや、仕事の最中など、好んでコーヒーを飲まれる人は多いと思います。
街にはたくさんのコーヒーチェーン店やカフェがあり、一休みに一杯。
このページでは、
「コーヒーに含まれるカフェインの作用を知る」
「東洋医学的にコーヒーが合う人はこんな人、合わない人はこんな人」
ということをお話ししていきます。
目次
カフェインの作用
様々な飲み物に含まれ、コーヒーにも含まれているカフェインにはどのような作用があるのか確認しておきます。
中枢神経を興奮させることによる覚醒作用および強心作用、脂肪酸増加作用による呼吸量と熱発生作用による皮下脂肪燃焼効果、脳細動脈収縮作用、利尿作用などである。
カフェイン − Wikipedia
- 覚醒作用 … 脳を興奮させ眠気や疲労感を除去する作用です。
- 脂肪酸 … エネルギー不足の時に脂肪から分解されてできるもので、実質的にエネルギー源になるものです。
- 脳細動脈収縮 … 血管が収縮するということは、脳の血流が減少するということです。
- 利尿作用…カフェインは腎血管を拡張させ腎血漿流量を増加させるために、おしっこが出やすくなります。
上記にあげたような作用が、身体反応で出やすい敏感な方とそうでない方がいます。
それは、遺伝因子により決定されているということがわかってきています。
少量コーヒーを飲んだだけでも、めまい、動悸、震え、眠れない、下痢、吐き気、不安な気持ちになる、などの症状が出る人は、カフェインに敏感な人です。
これらの症状が数杯飲んで出るならば、その量は自分の限度量を超えています
体質的にはそれほど敏感ではなくても、その日の体調によっても限度量は変わります。
カフェイン感受性についての詳細は以下を参照ください。
カフェイン感受性の3つの主要なグループを示す新しいレポート − リンク・デ・ダイエット http://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=64173&-lay=lay&-Find.html
コーヒーやカフェインを含む食品を摂らない方がよい人
妊婦さんです。流産、低出生体重児のリスク因子として報告されており、控えるように指導されています。
コーヒーには身体への良い影響もある
コーヒーに含まれるカフェインの覚醒作用により、集中力が高まります。
コーヒーを常飲している人には、以下のような大きな疾患になる相対的リスクが低いという調査結果が出ています。
- 肝がん・子宮体がん・女性の大腸がんになる確率が低い傾向
- 2型糖尿病の確率が低い傾向
- 肝疾患(AST, ALT, GGTのレベル減少、肝硬変のリスク低下)への影響
- パーキンソン病への防御的な作用
- アルツハイマー病で、認知の悪化に防御的に作用
念のため、「カフェイン」にこのような作用がある、ということではありません。
様々な成分(特徴的なものはタンニンやナイアシンなど)が絡んでいる「コーヒー」という食品についての調査結果として報告されているものです。
東洋医学的な視点でコーヒーが合わない人
気血が不足して元気がない人
めまい、動悸、震え、眠れない、下痢、吐き気、不安な気持ちになるなどの症状がすでにあると、その症状を強めてしまうため、カフェインを含むの飲食は控えた方がよいです。
血や水分が不足している人
肌がかさつく、痩せ、イライラ、手足のほてり、眠れない、寝汗が多い、のどが極端に乾くなどの症状がある人が、乾燥させる作用や温の性質のあるコーヒーを取ることで、その症状がより強く出る可能性があります。
イライラして怒りっぽい人
コーヒーの温の性質が、イライラしている熱の性質を強める可能性があります。
東洋医学的な視点でコーヒーが合う人
気が滞っている人
気を上昇させる作用により、うつうつしている気持ちから精神を活発にし気分を高めます。
水分が過剰で滞っている人
乾燥させる作用により、むくみ過剰な水分を外に排出します。
薬膳的には…
【コーヒー】性味:温 / 五味:甘、苦 / 帰経:肺、肝、胃、脾、心