よく耳にする自律神経ってどういうもの?【自律神経について】

「自律神経のバランスが…」とか、「天気が悪くて自律神経の調子がどうも…」とか口に出すことがあるかもしれません。
今日は自律神経がどういうものか説明してみます。
自律神経とは
内臓や血管などに分布している神経です。
私たち自身が思うがまま(歩いたり手を動かしたりするように)にはコントロールできないもので、身体を一定にいい感じに保つ役割をもっています。
その「自律神経」は、さらに相対する2種類の神経により構成されます。
交感神経と副交感神経です。
交感神経
闘争するときに優位になり、エネルギーを消費する変化をもたらします。
たとえば、瞳孔が開いたり(瞳孔開いて敵をよく見る!)、心拍数が上がったり血圧が上がったり(全身に血を送る!)、消化活動が低下したり(戦っている時にご飯を食べているヒマはない!)といった状態を引き起こします。
副交感神経
安静なときに優位になり、エネルギーを確保する変化をもたらします。
たとえば、心拍数は減少(ゆっくりしたい)、消化活動が促進(食べてエネルギーを補充)するなどです。
交感神経と副交感神経はバランスが取れているのが良い状態
自律神経が分布するおおかたの器官で、これら両方の神経が1つの同じ器官を支配しています。
この相反する役割をもつ双方の神経機能のバランスが取れ、どちらかが飛び抜けて優位になっていないのが、望ましい状態です。
東洋医学的には
東洋医学的には、万物を「陰」と「陽」という対立する概念で分類して、相互作用などを考える「陰陽二元論」という考え方があります。
陰と陽は、お互いが存在することで成り立ち、お互いがバランスをとり、リズムの変化をし、極まれば入れ替わったりする。
物事の性質のことを言っているだけで、どちらが良くてどちらが悪いというようには考えません。
陰と陽のバランスが取れている状態が、望ましい状態です。
自律神経の陰陽では、
- 日中に優位になる交感神経は「陽」
- 夜間に優位になる副交感神経は「陰」
と考えると、わかりやすいです。
1日の中に夜(陰)と朝(陽)があり、身体も副交感神経優位の時間帯(陰)と交感神経優位(陽)の時間帯がある。
このリズムが合わなかったり、うまく切り替えができなくなれば、自律神経失調(陰陽のバランス失調・陰陽の切り替えがうまくいかない状態)になります。
自律神経のバランスを崩した時の症状
刺激が多い現代人の生活様式では、交感神経の機能が優位(副交感神経の機能が低下)になりやすいです。
自律神経は私たちの身体のあらゆる箇所に存在するため、多様な症状を表します。
一例を挙げてみます。
- 心臓 … 動悸
- 汗腺 … 多汗
- 膀胱 … 頻尿、残尿感
- 消化器 … 食欲不振・過剰、膨満感、便秘、下痢
- 気管支 … 空咳
- 目 … 眼精疲労
- 耳 … めまい
- 生殖器 … 生理痛
- 末梢血管 … 末端冷え性
- 血管 … 頭痛、首肩こり・腰痛、起立性低血圧
例えば、睡眠。
日中は交感神経優位、夜は副交感神経優位。この移り変わりがうまくできていればしっかり夜眠れます。
移り変わりがうまくできず交感神経が優位なままになっていると、なかなか眠れなかったり眠りが浅かったりと睡眠へ影響がでたりします。
自分で何ができる?自律神経に対するセルフケア
自律神経に対するセルフケアは、一般的に言われているベーシックな健康法が一番です。
- 規則正しい時間での生活(起床・入眠、決まった時間での食事) … 体内時計をリセットします
- 朝、陽の光を浴びる … 身体が朝モードになる
- 適度な運動 … 筋肉をつけることにより血管のポンプ運動に良い影響あり
- 自分で気持ちが良いと感じるケア(お灸、ストレッチ、ツボ押しなど)
飛び抜けて特別なことや奇をてらったことでなくてOKです。
案外、普通のことを普通に続けるのが難しかったりしますね。
上記の中でできていることは「よし、できてる!」と思って、あと一つ何か増やすところからはじめてみるといいですよ。