睡眠に良い習慣と食べ物と【睡眠ホルモンについて】

睡眠には「メラトニン」というホルモンが関与しています。
このホルモンがどのように作られるのか、そしてこれが効果的に作用するためにしたら良いことを書いていきます。
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睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」
人間の身体の概日リズムは、体内時計によって支配されています。
この体内時計の大きな役割を果たしているのが、メラトニンというホルモンです。
脳の松果体という部分が明暗刺激に応じて分泌するホルモンで、入眠を促進する作用や睡眠を持続させる作用のほか、生殖機能や免疫機能、情動の調節や抗炎症作用などに関わっています。
メラトニンは光がない夜間、特に睡眠中に分泌が亢進し、日中は低下します。
このメラトニンは、日中に脳内に作られるセロトニンという神経伝達物質を元にして作られます。
メラトニンの元になる「セロトニン」
セロトニンは、脳を活性化し心に安らぎを与え、幸せホルモンとも呼ばれます。
主に日中に作られ、夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに変化します。
日中このセロトニンを充分に活性化させるには以下を心がけましょう。
太陽の光を浴びる
目の網膜が光をキャッチし脳に伝わるとセロトニンが作られ始めます。

リズム運動・反復運動をする
ウォーキング、スクワット、自転車漕ぎ、階段昇降、ガムを噛む、など、リズミカルに行う軽い運動はセロトニンが活性化されます。
運動開始5分後から濃度が高まり20〜30分でピークに達するので、所要時間は30分程度でよいでしょう。

スキンシップをとる
30秒ほどのスキンシップをとることで、幸せや安らぎに関係する複数のホルモン(セロトニン、オキシトシンなど)が分泌されます。
これは人間同士に限らず、ペットとでも効果ありです。

ゆったりとする音楽を聴く
モーツァルトの音楽はリラックス効果が高いと言われています。
反復運動がよいのと同様に反復フレーズが多い曲がよいでしょう。

セロトニンを作る原料「トリプトファン」など
日中にセロトニンを作る原料になる代表的な栄養物質が「トリプトファン」です。
トリプトファンは、人間の身体の中で合成することができない必須アミノ酸の一つです。
トリプトファンのほかに、ビタミンB6、炭水化物、マグネシウム、ナイアシンなどの栄養素も関わります。
ただし、動物性たんぱく質の場合、そのままではトリプトファンを脳へ取り込みにくくします。炭水化物とビタミンB6を一緒に摂ることで、脳内のトリプトファン合成が促進されます。
とくに朝食には、トリプトファン・ビタミンB6・炭水化物を含む食材を摂るとよいでしょう。
脳内でのトリプトファンの合成が促進されます。

トリプトファンを多く含む食品
- 大豆製品(味噌、しょうゆ、納豆、凍み豆腐、大豆肉など)
- 出汁類(いわし煮干し、煮干しトビウオ、かつお節、鯖節など)
- ナッツ、種など(かぼちゃの種、すいかの種、ひまわりの種、ピスタチオなど)
- 赤身の魚(まぐろ、カツオ)
- 脂肪が少ない肉(豚ヒレ、若鶏胸肉、若鶏ササミ)
- のり
ビタミンB6を多く含む食品
- ナッツ類(かぼちゃの種、すいかの種、ひまわりの種、ピスタチオ)
- 赤身の魚(まぐろ、カツオ)
- 脂肪が少ない肉(豚ヒレ、若鶏胸肉、若鶏ササミ)
- 乾燥ハーブ(ガーリックパウダー、乾燥バジル、乾燥パセリ)
- ブロッコリー
トリプトファン、ビタミンB6を含む炭水化物
- 玄米ごはん
- 全粒粉のパン
洋朝食例
じゃこチーズトースト
(胚芽パン、じゃこ、スライスチーズ)
和朝食例
お味噌汁(だしは魚系のいずれか)、玄米ご飯、納豆